7.会社合併とクーポンサービス|さよならサラリーマン生活

マネージャーになって3年。ボクは渋谷のセルリアンタワーから上野のオフィスに移っていた。

ざっくり説明すると、ティーカップは、元々門前仲町に本社があり、GMOグループに入った時に、渋谷オフィスとしてセルリアンタワーの中に席を数席作って、本社と渋谷オフィスと2つ分かれていました。ボクは渋谷採用で入っていたので、最初の1ヶ月は研修も兼ねて門前仲町にいて、それ以降は新規開発チームのメンバーと一緒に渋谷で過ごしていました。そして、新規サービスが思ったより伸びず、既存サービスも横ばいな感じで、社長曰く会社が2拠点なのが伸び悩みの原因として、門前仲町の本社を渋谷セルリアンタワーの近くのビルに引越して、みんなで同じオフィスで仕事することになりました。しかし引っ越しから10ヶ月くらいで、渋谷は家賃が高いし、やっぱり下町が良いと銀座線で渋谷にも行きやすい上野に引越したり、、なんかマネージャーになってから引越しの準備ばっかりしてました。

そうこうしてるうちに、ティーカップ同様にGMO内で個人向けコミュニティーサービスを運営している「GMOメディア社」とグループ内合併する話が浮上しました。

細かいことはここには書かないけど、合併は決まり、

社長室室長に任命され、合併プロジェクトを進めることになりました。

・給料の問題
・就業規則の問題
・退職金の問題

様々な問題をクリアしつつ、GMOティーカップ・コミュニケーション社は無くなり、GMOメディアへ転籍となりました。(そして上野から渋谷セルリアンタワーにお引越し。3年間で3回引越ししてる。)

 

ボクはそのままティーカップサービスのプロジェクトを管理するマネージャーの役職で、ティーカップの注力するサービスの売上をあげたり、注力しないサービスを終了させたり、新しいサービス作ったりしていました。

合併したその年にGMOメディアが毎年年末に社内スタッフ全員の投票で決める社内MVPを獲得しました。

 

そして、GMOメディア社にきて3年が過ぎ、ティーカップと合わせて6年働いたし、出世もできたし、会員サービスの開発、運営、閉鎖と一通り経験できたし、会社合併というレアな体験できたし、MVPだって狙ってゲットできたし、そろそろ個人事業主になるために辞める準備でもしようかと考えていた時に、GMOメディア社長に二人で飲みに行こうと誘われて飲みに行きました。

 

「ティーカップ最近どう?」みたいなたわいのない会話をしていたら、飲みの最後に、「1015日に本社がリリースしたクーポンサービス知ってる?」って聞かれて、知ってますと答えたら、社長に「デザイナーが1人しかいないから、キッシーのとこで手伝ってもらえないかな?」って、頼まれたので、
社長の頼みごとは全部速攻で受けるって決めてるボクは「全然いいですよ」って軽く返事して、その日は終わった。

飲みが金曜日だったので、週明けの月曜日にいつも通りに仕事していたら内線が掛かってきました。

電話に出るとGMOグループ代表の熊谷代表の秘書でした。切羽詰まったような声で「すぐに役員室にきてください」と、呼び出しを受けました。

クーポンサービスのお手伝いの顔合わせかな?と、役員会議室に入ったら、役員会議室には各社の社長や本社の取締役など全社ミーティングでしかみたことないようなお偉い方々が20人弱座っていて、なんか重い空気が会議室全体に漂っていました。

熊谷代表が、「マーケティング担当きた?」と言いました。

マーケティング担当?

なんのことかと思ったけどみんなボクを見ていたのですぐに察した。

とりあえず、「GMOメディア社 岸本です。」と挨拶だけした。

代表が、「今日のクーポンが売れてないんだけどなんで?」と聞いてきた。

今日のクーポンに何が出てるかも知らないけど、とりあえず「わかりません」と正直に答えながら、持ってきたノートパソコンでクーポンサービスを開き見てみたら、大田区蒲田のカレー屋さんのクーポンが1枚も売れてない状態で掲載されていました。

「マーケティング担当なのになんでわからないの?」と、怒気をこめた声で質問された。

なんか理不尽だなと少しイラッとしたけどとりあえず、分析するためのデータをもらってないのでわかりません。と答えた。

何が必要って話になり。

その場で思いついた

・日次のサイトへのアクセス人数
・累計会員数
・会員のプロフィール情報(住所、年齢、性別、最寄駅、勤務地)

以上の情報が欲しいと言うと、会員数とアクセス数だけは分かると教えてくれた。

東京都大田区の蒲田のカレー屋さんのクーポンを買うのは、職場か住まいかその経路を通る人だからその対象者が会員にどれくらいいるかによって売れる売れないは決まってくると思います。もしくはその対象者に届くように広告をうたないと知ってもらえないです。

その場をうまく切り抜けた。

 

それから毎日「マーケティング担当者 兼 制作担当者」として、打合せに参加することになった。深夜、休みの日、いつでもお構いないしにいろんな人から携帯に連絡がくるのでどこにいくにもノートパソコンとモバイルWi-Fiを持って移動し、子どもと遊び来た公園でノートパソコン開いて作業をしたりもしていた。

通常は企画が上がったら、細かい仕様を決めて、開発見積もり出して、スケジュールを組むけど、代表案件はだいたい「今日中」or「明日まで」で、その時間内に出来る方法を考えろって話だったからスピード感が半端なかった。

ただ、代表案件のチカラは絶大で、GMOグループ会社をフル活用して作業を頼めたし、広告費用がどんどん使えた。

代表に「キッシーいくら使いたい」って、聞かれてティーカップでは広告をだしたことはほぼ無かったので、ビビりながら根拠もなく300万使いたいです。って答えたら軽く「OK」って、言われた。

これは、ひょっとして結構面白いプロジェクトかもと、内心ワクワクしていた。

その後も毎月300万、600万、3000万とどんどん金額を上げても全て軽く「OK」が出た。

周りは金額を上げるたびに少し引いていたけど、ボクはあくまで提案してるだけであって責任は承認したプロジェクトリーダーの熊谷代表が取るのが筋だと考えてたので気軽に提案してました。

トップとやる仕事は意思決定早くて面白かった。つーかすげーなGMO!すげーな代表案件!!!

 

このクーポンプロジェクトは、翌年6月までに継続か撤退かの答えを出すというのが前提にあったので、そこに向けていろいろな施策を行なっていた。その1つにはテレビCMも入っていて、もちろん今までテレビCMやったことないので、きっとすごい効果あるんだろーなーと超期待していた。

もうすぐテレビCMが完成するってタイミングで3.11の東日本大震災が起こった。

 

次の日から日本のテレビからCMが消えた。。。


続きの「8.黒字化そして会社役員へ」を読む

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